更新日: 2026年7月31日
Microsoft Intune のデバイス登録エラーは、ほとんどの場合「ライセンス未割り当て」「MDM スコープの誤設定」「古い登録アーティファクトの残存」のいずれかが原因で発生します。エラーコードごとに対処ルートは概ね決まっているので、まず dsregcmd /status と mdmdiagnosticstool.exe で情報を採取してから、本記事のエラーコード表に沿って手を動かすのが最短です。正直、ここを飛ばして勘で触ると余計に時間を溶かします(過去の自分がそうでした)。ヘルプデスクとして 2026 年に最も問い合わせを受ける 0x80180024・8018000a・0x8007064c・DeviceCapReached 、そして Windows Autopilot の Enrollment Status Page(ESP)ハング まで、現場のランブックとして通しで解説します。
Intune 登録失敗の 8 割は「Intune ライセンス未割り当て」「MDM スコープが None」「MDM 権限(MDM Authority)未設定」「古い登録レコードの残存」の 4 つに集約される。
エラーコード 0x80180024・8018000a・0x8007064c は「既に登録済み」系のエラーで、登録アーティファクトのクリーンアップが必須。
Windows Autopilot の ESP ハングは、Win32 アプリの InstallationState = 4、LOB と Win32 の混在、Teams Machine-Wide Installer の同時実行が三大要因。
調査の初手は dsregcmd /status(AzureAdJoined と MdmUrl の確認)と mdmdiagnosticstool.exe -area DeviceProvisioning -cab のログ採取で固定化する。
ハイブリッド Azure AD 結合環境では、Autopilot が Entra ID 参加を先行させると Hybrid Join が失敗する。デバイス準備(Device Preparation)への移行を検討する。
2026-01 B 品質更新プログラムで「Windows 品質更新プログラムの OS 適用強制」が既定化され、ESP のタイムアウト設計を見直す必要がある。
目次
Intune デバイス登録のプロセスと失敗の主な原因
Intune 登録エラーコード一覧と対処法(2026 年版)
Windows Autopilot ESP がハングする 8 つの原因
dsregcmd と mdmdiagnosticstool によるログ採取手順
ハイブリッド Azure AD 結合環境での登録トラブル
デバイスをクリーン状態にして再登録する手順
条件付きアクセスと Intune 登録の関係
ヘルプデスクが最初に確認すべき 10 項目チェックリスト
よくある質問
Intune デバイス登録のプロセスと失敗の主な原因
Microsoft Intune のデバイス登録は「単一のアクション」ではなく、以下の段階を順に踏むフローです。まず Microsoft Entra ID による認証、次に MDM サービスによるディスカバリー、続いてデバイスの登録またはジョイン、最後にポリシー・アプリ・コンプライアンスの割り当てが実行されます。どの段階で失敗するかで発生するエラーコードは大きく変わるため、切り分けの最初の一歩は「どのフェーズで止まったか」を明確にすることです。
実際にヘルプデスクとして数百件を捌いてきた経験から言うと、根本原因のパターンは驚くほど狭いです。ざっくり頻度順に並べると、こんな感じ。
Intune ライセンス未割り当て :ユーザーに Microsoft 365 E3/E5、Business Premium、Intune Plan 1 などが割り当てられていない。
MDM 自動登録スコープが「なし」 :Microsoft Entra ID の「モビリティ(MDM/MAM)」設定で対象ユーザーが含まれていない。
MDM 権限(MDM Authority)未設定 :テナント自体が Intune を MDM 権限として認識していない。Intune 管理センターで「Looks like your IT admin hasn't set an MDM authority」と表示される場合はこれ。
古い登録レコードの残存 :同じデバイス(またはクローンイメージ)が過去に別テナント/別ユーザーで登録されており、証明書やレジストリキーが残っている。
デバイス上限超過 :ユーザー単位のデバイス登録上限(既定 15 台)に到達している。
ネットワーク・プロキシによる Endpoint 到達不可 :enrollment.manage.microsoft.com や portal.manage.microsoft.com がプロキシでブロックされている。
Hybrid Join 環境での順序異常 :Autopilot が Entra ID Join を先行させ、オンプレ AD 参加が完了する前に MDM 登録を試行する。
グループポリシー競合 :Windows Update・言語・キーボード・AppLocker などの GPO が ESP の完了を阻害する。
この 8 パターンで大半が説明できます。エラーコードを見た瞬間にこの中のどれかを疑えるようになると、平均対応時間(MTTR)は劇的に短縮できます。
Intune 登録エラーコード一覧と対処法(2026 年版)
現場でよく遭遇する Intune / MDM 登録エラーを、原因と処置をセットで表にしました。エラーメッセージそのままで検索すると英語の Microsoft Q&A に飛ばされることが多いので、まずこの表で当たりをつけてから深堀りするのが効率的です。
エラーコード 意味 主な原因 推奨対処
0x80180024MDM 登録の競合 既に別 MDM に登録済み/登録アーティファクトが残存 「職場または学校アカウント」を削除→再登録
8018000aデバイスが既に登録済み 別ユーザーが同一デバイスを Entra Join 済み 先行ユーザーでサインイン→職場アカウント削除→自ユーザーで再登録
0x8007064cマシンが既に登録済み クローンイメージ/前アカウントの証明書残存 HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments のクリーンアップ後再試行
0x80180026MDM 登録エラー(汎用) MDM Discovery URL 到達不可・証明書失効 ネットワーク疎通確認・システム時刻同期・SCEP 証明書再発行
0x80070774DC 探索不可 Hybrid Join 環境で DC への LDAP/Kerberos 失敗 VPN 接続確認・DNS 設定・サイト&サービス構成の見直し
0x801c0003Entra 登録拒否 デバイス登録がブロックされている Entra ID の「デバイス設定」で登録を「すべて」に変更
0x80090016TPM キーコンテナ問題 TPM 初期化不良/プラットフォームキーの破損 TPM クリア+再起動、tpm.msc で状態確認
DeviceCapReachedデバイス上限超過 ユーザーあたりの登録上限(既定 15)に到達 不要デバイスを Intune から削除/上限を管理センターで引き上げ
「アカウントは許可されていません」 Intune ライセンス未割り当て ユーザーに Intune ライセンスが未付与 管理センターで Microsoft 365 E3/E5・Intune Plan を割り当て
「IT 管理者が MDM 権限を設定していません」 MDM Authority 未設定 テナントの MDM 権限が未定義 Intune 管理センターで MDM 権限を Intune に設定
警告: HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments 配下のキーを削除する場合、GUID フォルダを全削除すると Intune 管理拡張機能(IME)のアンインストールが正しく走らずゾンビ状態になることがあります。必ず「職場または学校アカウント」の削除を先に試み、それでも残る場合のみMicrosoft Learn の Windows 登録エラー トラブルシューティング の手順に厳密に従ってください。
0x80180024 と 8018000a の切り分け
この 2 つは症状が似ていますが、切り分け自体は単純です。dsregcmd /status で AzureAdJoined が YES かつ MdmUrl が空欄なら 0x80180024(MDM 側のみの競合)。AzureAdJoined が YES で別ユーザーの UPN が入っていれば 8018000a(Entra 側から別ユーザーが握っている)です。前者はレジストリだけ触れば済みますが、後者は先に別ユーザーでサインインしてアカウントを外す必要があります。個人的にはここで一度、対象デバイスの現ユーザーと登録済みユーザーが本当に一致しているかを声に出して確認するのを癖にしています(意外とここで詰まる)。
Windows Autopilot ESP がハングする 8 つの原因
Enrollment Status Page(ESP)は、初回サインイン時にアプリ・ポリシー・証明書・ネットワーク構成の進捗を表示する画面です。ESP が固まる原因は Microsoft の Windows Autopilot トラブルシューティング FAQ に整理されていますが、実務でよく踏むのは次の 8 パターン。私の直近案件でも、8 割はこの中のどれかでした。
1. Win32 アプリの InstallationState = 4
レジストリ HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\Autopilot\EnrollmentStatusTracking\Device\Setup\Apps\Tracking\Sidecar\Win32App_{AppID} の InstallationState が 4(失敗)になっていると、ESP はそこで後続アプリのインストールを止めます。Intune 管理拡張機能(IME)ログ(C:\ProgramData\Microsoft\IntuneManagementExtension\Logs\IntuneManagementExtension.log)で該当 App ID の失敗理由を確認してください。
2. LOB アプリと Win32 アプリの混在
ESP は LOB(Line-of-Business)アプリと Win32 アプリの同時追跡をサポートしていません。どちらも TrustedInstaller 経由でインストールされ、同時実行できないためです。混在させる必要がある場合は、ESP を使わない Windows Autopilot デバイス準備(Device Preparation)への移行を検討します。
3. Teams Machine-Wide Installer との衝突
Teams Machine-Wide Installer の MSI は ESP に追跡されないため、他の MSI ベース Win32 アプリと同時にインストールされると TrustedInstaller の排他制御に引っかかります。Teams の展開は ESP 対象外にするか、Win32 アプリとして再パッケージするのが安全です。
4. Microsoft 365 Apps を「Microsoft 365 Apps (Windows 10 以降)」型で追加
この配布形式は ESP と相性が悪く、他の Win32 アプリと同時に走ると ESP がハングします。ESP で追跡させたい場合は、Microsoft 365 Apps を Win32 アプリ型 としてパッケージし直すのがベストプラクティスです。
5. アプリ内部の再起動トリガー
MSI や EXE インストーラー側で再起動を発火させると、ESP はセッションを失いハング状態になります。再起動は必ず Intune の「アプリの割り当て」→「再起動の動作」で制御してください。
6. Intune ライセンス未付与
Autopilot で使うユーザーに Intune ライセンスがないと、ESP は「Identifying」フェーズで長時間停止するか、そのまま完了しません。Autopilot 展開の 前に ライセンスグループへの割り当てを確認しておくのが鉄則です。
7. GPO・デバイス制限ポリシーの競合
言語・地域・キーボードの変更禁止、AppLocker、パスワード複雑度、最小長など、初期セットアップの動作を制限する GPO や設定プロファイルが ESP を阻害します。Autopilot 対象デバイス向けには「ESP 完了までは適用しない」フィルターを設定しましょう。
8. 壊れた PowerShell スクリプト
Pre-Provisioning フェーズで実行される PowerShell スクリプトは ESP のトラッキング対象ではありませんが、失敗すると 30 分規模の遅延を引き起こすことがあります。-ExecutionPolicy Bypass の設定漏れ、SYSTEM コンテキストでは使えない資格情報参照などが典型パターンです。
補足: 2026-01 B 品質更新プログラム以降、Intune 側で「Install Windows quality updates」の OS 強制適用が既定になりました。この設定は月次セキュリティ更新のみ を強制するため、機能更新プログラム(Feature Update)は別途 Update Ring で制御が必要です。ESP のタイムアウト(既定 60 分)でこの更新が完了しないケースが増えているため、タイムアウトを 120 分に延伸するか、事前プロビジョニングを推奨します。
dsregcmd と mdmdiagnosticstool によるログ採取手順
Intune 登録・Autopilot ESP のトラブルシューティングは、ログなしで進めると必ず遠回りします。以下のコマンドを「最初にまとめて実行して結果を保存する」だけで、8 割の問い合わせは切り分け可能です。
1. dsregcmd /status で参加状態を確認
# 管理者権限の PowerShell またはコマンドプロンプトで実行
dsregcmd /status > C:\Temp\dsregcmd_status.txt
# 特に重要な行
# AzureAdJoined : YES ← Entra ID 参加済みか
# DomainJoined : NO/YES ← オンプレ AD 参加済みか(Hybrid の判定)
# MdmUrl : https://... ← 空欄なら MDM 未登録
# MdmTouUrl : https://...
# MdmComplianceUrl : https://...
# TenantName / TenantId ← 想定テナントと一致するか
期待される動作は「AzureAdJoined = YES」かつ「MdmUrl に Intune の URL が入っている」状態です。AzureAdJoined = YES なのに MdmUrl が空欄なら、自動 MDM 登録の GPO か Entra の MDM スコープがユーザー/デバイスに当たっていません。
2. mdmdiagnosticstool で MDM ログ一式を採取
# Windows 10 1809 以降で使用可能
mdmdiagnosticstool.exe -area DeviceProvisioning;DeviceEnrollment;Autopilot -cab C:\Temp\MDMDiag.cab
# CAB を展開すると、以下が採取される
# MDMDiagReport.html : サマリレポート(まずはこれを開く)
# MDMDiagReport_RegistryDump.Reg: 登録関連の全レジストリ
# *.evtx : 各種イベントログ
# MDMDiagHtmlReport.html : HTML ビュー
# 期待される出力: MDMDiagReport.html 内の「Enrollment State」が Enrolled
3. イベントログの直接参照
GUI でイベントビューアーを開き、以下のパスを確認します。エラー・重大レベルでフィルターすると原因が絞りやすいです。
アプリケーションとサービス ログ > Microsoft > Windows > DeviceManagement-Enterprise-Diagnostics-Provider > Admin
アプリケーションとサービス ログ > Microsoft > Windows > Provisioning-Diagnostics-Provider > Admin
アプリケーションとサービス ログ > Microsoft > Windows > AAD > Operational
PowerShell 診断のノウハウはActive Directory アカウントロックアウト調査ガイド で扱った手法とほぼ同じで、Get-WinEvent で条件を絞ってから Format-List * で全プロパティを見るのが確実です。
4. Autopilot ESP 画面での View Diagnostics 収集
ESP がハングしている画面で Ctrl +Shift +D を押すと、診断ページが開き CAB ファイルとしてログを収集できます。ネットワーク経由でエスカレーション先に送るときはこれが最も情報密度の高いパッケージです。
ハイブリッド Azure AD 結合環境での登録トラブル
Hybrid Join 環境で Autopilot を回すと、Entra ID Join がバックグラウンドで先行し、その後にオンプレ AD Join を試みます。この順序は Hybrid シナリオにとって致命的で、Entra 側の登録が完了する前に MDM 登録が走ってしまい、GPO や証明書関連のポリシーが未適用のまま次工程に進むため、後段のポリシー適用で連鎖的に失敗します。
典型的な症状は次のとおりです。
Autopilot は完走するが、その後 SSO が働かず「職場アカウントで再サインインしてください」の表示が繰り返される
Intune のコンプライアンスが「準拠していません」から回復しない
SCEP / PKCS 証明書の配布が「保留中」で止まる
0x80070774(DC 探索不可)で ESP が失敗
2026 年時点で Microsoft は Hybrid Join からの脱却を強く推奨しており、新規デバイスは Entra Join + Windows Hello for Business + Cloud Kerberos Trust の組み合わせに移行するのがベストプラクティスです。既存の Hybrid 環境で当面回す必要がある場合は、以下の順序で緩和策を入れます。
Autopilot プロファイルで「Hybrid Azure AD Join」を選択し、「オフライン ドメイン参加」を有効化して DC 到達性を前提にしない
Intune Connector for AD をオンプレに配置し、コンピューターオブジェクトの事前作成を任せる
VPN 接続を必須にする場合は、Always On VPN の Device Tunnel を先に確立する(詳細はWindows 11 VPN トラブルシューティングガイド を参照)
ESP のタイムアウトを 120 分以上に延伸
デバイスをクリーン状態にして再登録する手順
「既に登録済み」系のエラー(0x80180024・8018000a・0x8007064c)が消えないときは、デバイスをクリーンな状態に戻すのが最短です。以下は破壊的操作を含むため、必ず順序を守って実行してください。
ステップ 1:ユーザーレベルでの登録解除
# 「設定 > アカウント > 職場または学校にアクセス」から
# 該当アカウントを選択 → 「切断」をクリック
# コマンドラインで同等操作を行う場合
# 現在の登録 ID を確認
dsregcmd /status | findstr /i "TenantName TenantId"
# 職場アカウントとしての切断(AzureAd 参加を解除)
dsregcmd /leave
# 期待される出力: "The device left AzureAd successfully"
ステップ 2:レジストリの登録アーティファクトを確認
# 残存する Enrollment GUID を列挙
Get-ChildItem -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments" |
Where-Object { $_.PSChildName -match "^[0-9A-F\-]{36}$" } |
ForEach-Object {
$props = Get-ItemProperty $_.PSPath
[PSCustomObject]@{
GUID = $_.PSChildName
UPN = $props.UPN
EnrollmentType = $props.EnrollmentType
ProviderID = $props.ProviderID
}
} | Format-Table -AutoSize
# 期待される出力: Intune 由来のエントリのみ表示(複数残っているなら要クリーンアップ)
ステップ 3:スケジュールタスクとサービスの停止
# MDM 関連のスケジュールタスクを一時停止
Get-ScheduledTask -TaskPath "\Microsoft\Windows\EnterpriseMgmt\*" |
Disable-ScheduledTask
# Intune 管理拡張機能(IME)サービスの停止
Stop-Service -Name IntuneManagementExtension -Force -ErrorAction SilentlyContinue
ステップ 4:残留 GUID の削除(最後の手段)
ユーザー切断で消えない場合、対応する GUID フォルダを以下のパスから削除します。必ずレジストリのバックアップを取ってから 実施してください。
# 削除対象のパス
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments\Status\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\EnterpriseResourceManager\Tracked\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\AdmxInstalled\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\Providers\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Provisioning\OMADM\Accounts\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Provisioning\OMADM\Logger\{GUID}
# HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Provisioning\OMADM\Sessions\{GUID}
# PowerShell で一括削除する場合の例
$targetGuid = "<対象 GUID>"
$paths = @(
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments\Status\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\EnterpriseResourceManager\Tracked\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\AdmxInstalled\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\PolicyManager\Providers\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Provisioning\OMADM\Accounts\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Provisioning\OMADM\Logger\$targetGuid",
"HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Provisioning\OMADM\Sessions\$targetGuid"
)
foreach ($p in $paths) {
if (Test-Path $p) { Remove-Item -Path $p -Recurse -Force }
}
ステップ 5:Intune 管理センター側のデバイス削除
デバイス側の掃除が終わったら、Intune 管理センターの「デバイス」→「すべてのデバイス」と、Microsoft Entra 管理センターの「デバイス」で古いオブジェクトを削除します。BitLocker 回復キーが Entra に保管されている場合はWindows 11 BitLocker 回復キー対処ガイド の手順で先にキーを回収してから削除してください。
条件付きアクセスと Intune 登録の関係
2026 年時点で最も見落とされがちなのが、条件付きアクセス(Conditional Access, CA)による登録ブロックです。CA ポリシーで「準拠デバイスを要求」を有効にしていると、Intune 登録用のクライアント(Enrollment Web App)自体もブロック対象になり、ニワトリと卵の状態が発生します。
登録関連の CA トラブルの典型パターンは以下の 3 つです。
登録 App が CA でブロック :「Microsoft Intune Enrollment」および「Microsoft Intune」を CA ポリシーの除外 に入れる。
登録前の MFA 要求で失敗 :MFA 未登録ユーザーが Autopilot で失敗する。事前に自己サービス パスワード リセット(SSPR)と MFA を登録させておく(Microsoft Entra ID SSPR 完全導入ガイド 参照)。
コンプライアンス評価の遅延 :登録直後は「準拠していません」と評価されるため、初回同期直後にサインインをやり直す運用にする。
ヒント: CA ポリシーの「デバイス プラットフォーム」で Windows を対象にする場合、「クライアント アプリ」で「モバイル アプリとデスクトップ クライアント」だけでなく「ブラウザー」も含めておかないと、Company Portal の Web ログインが素通りしてしまいます。ポリシー設計時はこの落とし穴に注意してください。
ヘルプデスクが最初に確認すべき 10 項目チェックリスト
問い合わせを受けたときに、上から順に潰していけば 8 割の登録問題は切り分けられるチェックリストです。ドキュメント好きの自分は、これを部内 Wiki に貼って「上から順に埋めてから起票」というルールにしました。運用してみたら一次切り分けの時間がざっくり半分になったので、面倒でもテンプレ化する価値はあると思います。
ユーザーに Intune / Microsoft 365 ライセンス が割り当てられているか(管理センター > ユーザー > ライセンスとアプリ)
Entra ID の MDM スコープ が「なし」以外に設定されているか(Entra > モビリティ > Microsoft Intune)
Intune テナントで MDM 権限 が Intune に設定されているか
ユーザーのデバイス登録上限 に達していないか(既定 15 台)
dsregcmd /status で AzureAdJoined / MdmUrl の値
イベントログ(DeviceManagement-Enterprise-Diagnostics-Provider)の直近 24 時間のエラー
プロキシ/ファイアウォール で Intune・Autopilot エンドポイントが許可されているか(*.manage.microsoft.com、ztd.dds.microsoft.com、login.microsoftonline.com)
システム時刻 が NTP と同期しているか(±5 分以上ずれると証明書検証で失敗)
条件付きアクセスで Microsoft Intune Enrollment App が除外に入っているか
デバイスの TPM が有効/初期化済み か(tpm.msc)
この 10 項目のうち 8 つ以上に「OK」がついた状態でエラーが再現するなら、初めて Microsoft サポートにエスカレーションする価値のあるレベルです。それ以前に上げると、まずこの 10 項目を潰すよう戻されます。
よくある質問(FAQ)
Intune 登録エラー 0x80180024 を最速で解消する方法は?
設定 > アカウント > 職場または学校にアクセスから既存アカウントを切断し、再サインインすれば 8 割は解消します。それでも残る場合は HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Enrollments 配下の残留 GUID を削除してください。0x80180024 は「既に別 MDM に登録済み」を意味するため、レジストリのクリーンアップが必須です。
Windows Autopilot が ESP で固まる主な原因は?
頻度順に、Win32 アプリのインストール失敗(InstallationState = 4)、LOB アプリと Win32 アプリの混在、Teams Machine-Wide Installer との同時実行、Intune ライセンス未割り当ての 4 つです。ESP 画面で Ctrl +Shift +D を押して診断ログを収集し、Intune 管理拡張機能ログ(IntuneManagementExtension.log)で失敗アプリを特定してください。
dsregcmd /status で MdmUrl が空欄になるのはなぜ?
MDM 自動登録の GPO(Enable automatic MDM enrollment using default Azure AD credentials)が対象ユーザー/デバイスに適用されていないか、Entra ID の MDM スコープが「なし」になっているのが主因です。GPO は「コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Windows コンポーネント > MDM」以下にあり、Hybrid Join 環境では必須の設定です。
Intune 登録のデバイス上限(15 台)は変更できる?
変更できます。Intune 管理センターの「デバイス > 登録 > デバイス登録制限」から、既定ポリシーまたはカスタムポリシーで 1〜15 の範囲で設定可能です。BYOD で 15 台では不足する場合は、Autopilot 対象デバイスを「企業所有」として事前登録することでこの上限を回避できます。
Autopilot 展開が終わった直後にコンプライアンス「準拠していません」になるのは正常?
初回同期直後は正常な挙動です。ポリシー評価とレポートには最大 8 時間かかるため、ESP 完了直後に Company Portal でサインインしても即座には準拠になりません。ユーザーには「サインアウトして 10 分待ってから再サインイン」と案内するか、Company Portal から「デバイスを同期」を手動実行してもらってください。
Hybrid Azure AD Join から Entra Join にどう移行すべき?
2026 年時点で Microsoft は Cloud Native(Entra Join + Cloud Kerberos Trust + Windows Hello for Business)への移行を推奨しています。既存デバイスは Autopilot Reset や Fresh Start を使って再展開する方式が現実的で、オンプレファイルサーバー・プリンターへのアクセスは Kerberos Cloud Trust でシングルサインオンを維持できます。段階的移行としては、まず新規展開分だけ Entra Join に切り替え、既存デバイスは端末更改のタイミングで置き換えるのがトラブルが少ないアプローチです。